T.ビザ取得手続き
(1)資格と条件
■国籍・年齢に関する条件
35歳以上の全ての外国人(但し、フィリピン外務省が入国制限の指定をした者は除外する)及び外国旅券を保有する元フィリピン国籍者が取得でき、取得すると延長、再入国などの面倒な手続きが不要で、様々の特典で優遇されるビザです。
■預金に関する条件(2011年5月5日施行新ルール)
主に3つのプログラムが用意され選択できるようになっています。
1.SRRVクラッシックプラン(既存のプログラムの改訂版)
2.年金受給者プラン
3.SRRVスマイルプラン(新規プログラム)
4.SRRVヒューマン・タッチプラン(介護あるいは療養のためのプログラム)
1.SRRVクラシックプラン
35歳以上50歳未満は5万ドル、50歳以上は2万ドルをPRA指定銀行に定期預金をする。なお、年金受給者(証明要)の申請は1万ドル。但し、年間360ドルの会費を前払いでPRAに支払う。(3人以上の同伴者には一人100ドル追加)SRRV取得の定期預金はコンドミニアムの購入や戸建住宅の長期リースに転用(投資)することはできるが、それらの物件は入居可能な状態であること(プレセールのコンドミニアムや住宅の建設には使えない)。なお、投資総額は5万ドル以上であること。この場合、追加の会費等の費用は発生しない。
2.年金受給者プラン
一ヶ月US$800.00相当の年金(申請者が夫婦であればUS$1000.00以上:各証明要)受給をしていれば、US$10,000.00をPRA指定銀行に定期預金をする。投資条件等はSRRVクラシックに準ずる。
3.SRRVスマイルプラン
35歳以上一律、2万ドル。この2万ドルは投資はできず、利息だけは受け取れる。将来必要となるであろう医療費や埋葬費用などに使用することを前提とする。年会費等については(SRRVクラシック) と同様。
4.SRRVヒューマン・タッチ
35歳以上、一律1万ドル。その他の条件は(SRRVスマイル)と同様。ただし、年金額は月々1,500ドル以上必要で、年金証書ならびにフィリピンで年金を受け取っている証拠、健康保険証書さらに療養或いは介護が必要であるという診断書等を提出すること。同伴者は配偶者等1名のみ。投資はできず、利息だけは受け取れる。
5.既存の退職ビザ保有者
既存の退職ビザ保有者は(SRRVスマイルに乗り換えることができる。その場合、50歳未満で5万ドルあるいは7万5千ドルでビザを取得した人は360ドルの年会費を支払うことにより、差額3万ドル或いは5万5千ドルを引き出すことができる。
既に、50歳以上の5万ドルでビザを取得し、現在の2万ドルとの差額3万ドルを引き出した退職者(ハーモニゼーション)は、従来450ドルを支払っていたものが、360ドルに減額される。また、5万ドルをすべて投資に転用している人は、2万ドルを再預金することにより、500ドルのビジトリアル・フィーが360ドルに減額される。もちろん現状維持を選択することも可能。
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(2)ルール詳細
@SRRVクラッシックSRRVスマイルは申請時に選択しなければならず、中途で乗り換えることはできない。
A3年間有効のIDは従来どおり継続されるが、その場合は3年分の会費(360ドル×3=1,80ドル)を支払わ なければならない)。
B同伴した子供が35歳に到達したら、新規に、Principal(申請者本人)としてSRRVを取得しなければならない。
C5月4日以前に送金を実施したものは旧ルールを選択することができる。その場合、新ルールからは適用を除外される。
D新ルールで申請した場合、すべての定期預金はDevelopment Bank of the Philippines(DBP)に移動されなければならない。現状では従来の認定銀行で定期預金を開設することができるが、PRAに定期預金を移動する同意書(Authorization Letter)を発行すること。
EPRAとDBPの合意ができたら、すべての送金と定期預金の開設はDBPで行なわれなければならない(時期未定)。
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(3)必要書類
■申請者は以下の書類を提出して下さい。( )内はご家族を同伴する場合です。
1.PRA退職者プログラムの申請書(家族全員それぞれに対して1枚)
2.パスポートの原本(家族全員のもの)
3.健康診断書(家族全員のもの)
4.所定金額の米ドル定期預金証明書
5.無犯罪証明書(配偶者及び18歳以上のお子様にも必要)
6.写真、約1x1及び2x2インチ各6枚(家族全員それぞれのもの)
7.配偶者を同伴する場合、結婚証明書原本あるいは戸籍謄本
8.扶養家族を同伴する場合、出生証明書原本あるいは戸籍謄本
9.PRA手続き料
@サービス料 1,400米ドル
A同伴家族1名につき 300米ドル
10.特典
本プログラムの加入者には、以下の特典があります。
(ア)数次入国の特権が与えられ、永住権が認められます。
(イ)免税で、7,000米ドル相当の家具、電化製品、身の回りの品を持ち込むことができます。
(ウ)出国許可と再入国許可および外国人登録(ACR)の手続きが免除されます。
(エ)旅行税が免除されます。但し、加入者が最後にフィリピンに入国した日から1年以上フィリピンに滞在していないことが条件です。
(オ)本ビザ取得のための定期預金を1ヶ月後、コンドミニアム購入、長期土地付き借家の投資(転用)に使うことができます。但し、US$50,000.00以上で既に居住できる物件に限る。
(カ)本ビザ取得後、外貨定期預金をフィリピンペソ預金に転換することができます。
(キ)フィリピンに送金される恩給・年金は無税です。
(ク)本ビザ取得用の預金(ビザをキャンセルした場合)と投資利益、配当、キャピタルゲインの本国への送還が保証されます。
(ケ)フィリピンで学生となる場合、学生ビザや特別留学許可証の取得が免除されます。
(コ)外国人就労許可証(AEP)を取得することにより、就労することができます。
(サ)その他、ゴルフ、リゾートの割引等がPRAに申し込むことにより受けられます。
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U.日本での準備
(1)必要書類の準備
■出国前に下記の書類を準備してください。
1. パスポート(ご家族全員)
2. ビザ取得に必要な米ドル金額を送金したことを示す送金書
3. 戸籍謄本(ご家族を同伴する場合)
■フィリピンの滞在を最短にしたい、あるいは何らかの事情で全ての書類を日本でそろえたいという場合、下記の要領にしたがってください。ただし、大変手間と費用がかかるのでフィリピンでそろえることをお勧めします。フィリピンでやれば4日で全てそろえることができます。
1. 申請書
2. 健康診断書
フィリピン外務省所定健康診断書(様式11号)に医師が記入し、フィリピン大使館が認証したもの
3. 無犯罪証明書
最寄りの警察が発行し、外務省の審査を経て、フィリピン大使館が認証したもの
4. 結婚証明書及び出生証明書
翻訳サービス会社で英訳し、外務省の審査を経た戸籍謄本に基づき、フィリピン大使館が作成及び認証したもの、あるいは認証された戸籍謄本そのもの
5. 写真
通常のパスポート及び証明書用の写真、予備を含めて各12枚程度
(2)パスポート
■フィリピン入国にあたってパスポートの有効期間が6ヶ月以上あること、ということが短期滞在ビザ発行の条件になるので有効期限を確認してください。もし、9d、9g等のフィリピンの長期滞在ビザを持っている場合、SRRV申請に先立って9aの短期滞在ビザに切り替えておく必要があります。
(3)送金
■ビザ取得に必要な米ドルの送金は指定された7つの銀行のいずれかのPRA用の口座に米ドルで振り込んでいただきますが、フィリピンを事前に訪問された際に、米ドル送金用の個人専用口座を開設することをお勧めします。送金料、送金手続き等の詳細は最寄りの外国為替取扱銀行にお問い合わせ下さい。なお、送金者は必ずしも本人である必要はありませんが、受取人は退職者本人でなければなりません。なお、送金先銀行によってはさらに送金先銀行での手続き料がかかり、送金したUS$から差し引かれ、所定のUS$金額を下回ってしまう場合があります。事前に送金銀行に確認し、その分余分に振り込んでください(余分に振り込んだものは後日引き出し可能)。
PRA指定銀行
・BANK OF COMMERCE(PRAに最初に認定された中堅銀行)
・BANCO DE ORO
・EAST WEST BANK
・EXPORT BANK
・RIZAL COMMERCIAL BANKING CORPORATION (RCBC)(フィリピン第5位、全国に300店舗展開)
・PHILIPPINES SAVING BANK(フィリピン最大手銀行Metro Bankの子会社)
・ALLIED BANKING CORPORATION(中堅銀行、全国に100店舗展開)
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■口座開設後、下記要領にしたがってご自身の口座に送金してください。
送金額の例:50歳以上で年金に関係なく申請の方
定期預金:US$20,000.00(2万米ドル)
受取銀行手数料:US$100.00(100米ドル)
PRA申請手数料:US$1,400.00(1千400米ドル)
合計:US$21,500.00(2万 1千500米ドル)
外国送金申込書には下記の通りご記入ください。
金額:US$21,500.00
送金理由:永住ビザ取得のための預金
申込人/送金人:退職者のお名前(別の方でも可能)
受取人名:退職者のお名前
受取人口座番号/住所:取得した個人口座番号
支払い銀行/支店名
銀行番号(SWIFT CODE)
国名 PHILIPPINES
経由銀行 BANK OF NEW YORK IRVTUS3N
受取人へのメッセージ ATTN: BRANCH HEAD. FOR PRA TIME DEPOSIT PLACEMENT
※送金で余ったお金は受け取れます。
※送金後、弊財団に必ずご連絡ください。
■入金までに一週間前後かかりますので入金確認後に渡比をされてください。
(注意)ビザ取得のための定期預金は海外から外貨により本人名義の口座に振り込む必要があります。フィリピンで持参して預け入れた外貨預金ではビザ発行の条件を満たさないのでご注意願います。したがって、日本からは2万ドルないし5万ドル全額を送金する必要があります。PRA申請手数料もドル現金で準備してください。トラベラーズチェックはフィリピンではあまり通用していないので避けてください。
(4)航空券手配
■最寄りの旅行代理店で手配願います。なお、事前に入国のためのビザを取得する必要はありませんが、フィリピン入国の際、21日間の短期ビザ発行のために帰りの航空券の提示を求められますので、必ず往復の航空券を手配してください。チケットは変更可能なノーマルチケットで、若干の日程延長が可能なオープン状態で渡比されてください。
(5)ホテルの手配
■一流ホテルに一泊100ドル程度で宿泊できますが、滞在が長くなるため割安なホテルを利用されたいという場合、ご一報いただければ予算に応じて手配します。
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V.フィリピンにて
(1)入国
■飛行機の中で渡される入国カードは通関書類を兼ねています。入国審査後、入国カードの一部が返却されるので、税関でサインしてもらい、出口で係官に渡してください。その後さらにチェックインした荷物の受取証を調べられるので航空券に貼り付けられた受取証を提示してください。
■空港での両替は交換レートが良くないので必要最小限(2000円程度)両替し、残りは街の両替店で両替してください。円貨での両替もできます。ホテルでの両替は米ドルについてはまあまあなのですが、円は極端にレートが悪くなります。
■ホテルまでの足はホテルリムジンを利用するのが間違いありません。ホテルによっては無料送迎サービスをしています。空港ビルの出口付近に担当者が待機しています。その他の場合、空港タクシーを利用してください。空港ビルを出てさらに道路を渡り、ゆるいスロープを降りるとカウンターがあります。マニラのホテルまで大体500ペソ(1,000円)程度でいけます。空港の外のタクシーは絶対使用しないで下さい。法外な値段を吹っかけられることがあり、また強盗などの被害にあう可能性が高くなります。
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(2)PRA訪問
■PRAはマカティの中心CitibankTower4階にあります。財団法人比日文化経済交流財団のスタッフが案内します。入り口で荷物検査とIDカード(免許証等)の提出を求められます。
(3)必要書類の準備
■ビザ申請に先立ち、下記の書類をご準備願います。全ての申請手続きには本財団の日本語が通じる職員が同行サポートし、効率良く回れば1日で全てそろえることができます。個々の受け取りには4日ほどかかりますが、本財団が受け取りに行きます。なお、各申請料及び交通費は申請者の負担となります。
1.申請書
PRA申請用紙(添付)に記入下さい。なお、申請書は健康診断書を兼ねています。
2.健康診断書
一般のクリニックで受診してください。一人2,000ペソ程度かかります。受診に際して必ず申請書を持参してください。伝染病、精神病等の診断がなされた場合ビザの発行は許可されません。もし過去に結核等の病歴がある場合、X線写真の履歴をご持参ください。それがないとX線写真に映った影を判定するために、余計なテストと時間が必要となります。
3.預金証明書
銀行に行ってあらかじめ送金したドルで所定の金額のビザ申請用定期預金口座を開設してください。必ず送金書とパスポート及び免許証などの写真のある公的証明書を持参してください。預金証書のコピーを受け取って、PRAに提出して下さい。預金証明書はPRAに直接送付されます。料金は無料です。
4.無犯罪証明書
NBI(National Bureau of Investigation)に行って申請してください。お一人165ペソ(至急扱いで500ペソ)かかります。必ずパスポートを持参してください。
5.写真
約2×2、1×1インチ各6枚提出する必要がありますが、多少余分(各10枚程度)に用意しておくとよいでしょう。サイズは大体で厳密に考える必要はありません。出来れば日本で準備し持参されてください。300ペソです。
6.結婚証明書及び出生証明書
在比日本大使館を訪問し、日本から持参した戸籍謄本並びにパスポートを提出し、証明書の発行を依頼してください。翌日の午後に入手できます。お一人600ペソかかります。戸籍謄本の翻訳は必要ありません。
(4)銀行口座の開設
■ビザ取得のために開設された定期預金はPRAにより管理され、使用目的も投資に限定されているために、勝手に出し入れすることはできません。したがって、フィリピンでの生活に必要な諸経費の送金のために、定期預金開設の際、同時にドルか円の個人外貨口座を開設することをお勧めします。またATMを利用する場合にはATMカードの発行を申請します。ATMカードにより全国どこでもペソでドル口座から引き落とすことができます。口座開設に必要な最低預金額は原則として500米ドルあるいは5万円です。銀行は両替のたびに手数料を取ること及び交換レートが悪いので、できれば円口座を開くことをお勧めします。そうすれば街の両替屋で有利なレートでペソに直接交換できます。ただし、円口座を開ける銀行はBDO、RCBC本店等、限られているのが難点です。なお、口座開設にはそれぞれの口座ごとに写真を2枚提出する必要があります。
■年金については、日本で新生銀行等に年金振込口座を開設し、インターナショナルカードを発行してもらい、それでフィリピン各地のATMにてペソ建で引き落とす事も出来ます。その場合フィリピンへの送金手続等はまったく不要で、為替リスクもなく安全です。但し、ペソへの交換比率は銀行のものが適用されるので少々不利になります。他の銀行でも扱っているか、最寄りの銀行にお問い合わせ下さい。なお、PRA定期預金は夫婦共有名義にすることができます。これにより、ご主人に不幸があった場合など、面倒な手続と相続税を免れる事ができます。ただし、両者がSRRVのメンバーであるか、あるいは配偶者がフィリピン国籍であることが条件となります。
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(5)ビザの申請
■すべての書類が整ったら、PRAへ出向いてビザの申請をします。(弊財団の代行申請可能)ビザ発行には土日を除いて5日から7日かかります。(2週間前後で若干の余裕を持っての滞在をご検討ください)また、申請料として1,400米ドル、家族を同伴する場合はさらに1名につき300米ドルを現金で支払います。円、ペソ、トラベラーズチェック等は受け付けないので、必ず米ドルまたはペソの現金を用意してください。なお、ご家族を後から呼び寄せることも可能です。手続はまったく同じです。配偶者と21歳未満の子供1名に付いては追加の定期預金は必要ありません。
(6)住宅取得準備
■ビザ発行を待っている間は、パスポートを預けているために帰国できません。そのためこの間、ビザ取得後滞在すべき住居あるいは住居建設のための宅地を調査するか、あるいは観光に出かけることをお勧めします。なお、ご要望があれば国内ツアーのアレンジを行う日本語が通じる旅行会社を紹介します。また、フィリピン国内旅行にお出かけの際は忘れずにパスポートのコピーにビザ申請中という証明をPRAからもらってご持参下さい。
(7)インタビュー
■SRRV保持者の各種特典と手続方法、フィリピンの風俗習慣、ビザ取得のために預けた定期預金の投資への転換手続、住宅の取得に関わる法手続、会社設立のための手続、その他フィリピンで生活する上で知っていなければならないことについて情報を提供します。
(8)SRRVの発行
■申請後10日〜14日程度かかります。ビザの発行と同時にメンバーカード(ID)が発行されます。また、フィリピン在住中にメンバーとしての守らなければならない簡単な規則について遵守することを宣誓することになります。 |
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住居の決定「住宅取得概要」に続く |